再訪 西国三十三所 第十一番札所「醍醐山 上醍醐 ・准胝堂」
第十一番札所
醍醐山 上醍醐・准胝堂
御詠歌 ◆
逆縁も もらさで救う 願なれば
准胝堂は たのもしきかな


落ち葉の下から流れ出る水を飲んだ翁(おきな)が一言発した。「ああ醍醐味なるかな」
山上から麓に広がる古刹(こさつ)は、密教修行の地を求めて聖宝・理源大師が山上で准胝(じゅんてい)・如意輪(にょいりん)の両観音を刻み、庵(いおり)を結んで両観音をまつったのが始まりだ。


上醍醐は、西国三十三所の中でも難所の一つといわれる。道中は、豊臣秀吉が多くの女房衆を連れて「醍醐の花見」を行った跡地などを通り、不動の滝から落ちる水音を聞きながら約3.5㎞の山道を約1 時間上る。札所の准胝堂は、2008年の落雷により焼失し現在は下醍醐の観音堂で納経を受け付けている。本尊の准胝観音は、28年の開眼に向けて制作されている。入り口には、今も醍醐水が湧く閼伽井(あかい)があり、1000年以上もこんこんと清水を満たしている。


教学部の百目鬼幸秀(どうめきこうしゅう)次長は「巡礼道を歩きながら人と人との触れ合いを大事に、清らかな気持ちで観音様を感じることが大切です」と語る。
時の帝(みかど)や天下人によって守護され伝えられた多くの国宝や文化財を堪能し、険しい参道を上り切り、醍醐水で潤いを得て湖国に向かった。


真言宗醍醐派総本山。京都市伏見区。京都市営地下鉄「醍醐」駅下車。徒歩約10分。拝観時間は午前9時から午後5時(12月第1日曜翌日から2月末は午後4時半)。拝観料は、三宝院、霊宝館、伽藍それぞれ大人600円、中高生400円(季節により異なる)。共通券もある。
撮影・文 ◆ 土屋 功(つちやいさお)(読売新聞大阪本社)
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