再訪 西国三十三所 第十二番札所「岩間山 正法寺(岩間寺)」

2026.03.19 ● 再訪 西国三十三所

 

第十二番札所
   岩間山 正法寺(岩間寺)   

いわまさん  しょうほうじ(いわまでら)

 

御詠歌

水上は いづくなるらん 岩間寺
岸うつ波は 松風の音

 

岩間寺

落雷で焼失した上醍醐准胝堂かみだいごじゅんていどう)から山を越え、谷を渡ってたどり着いたのは、ぼけ封じや雷よけで信仰される山寺だった。

神殿風の本堂の前には、桂の木がそびえる。二つの幹が支え合う姿から「夫婦桂(めおとかつら)」と呼ばれている。寺を開いた泰澄大師が、岩間山を行脚していたとき、桂の木の中から「千手陀羅尼(せんじゅだらに)」を唱える声が聞こえた。霊力を感じて枝を切り、千手観音像を刻んだと伝わる。現在の木は3代目だ。




境内を歩くとカエルの置物に出会う。本堂横の「芭蕉の池」には、「古池や蛙
かわず)飛び込む水の音」の松尾芭蕉の句碑が立つ。岩間山の麓に庵(いおり)を構えていたことから、この寺にもたびたび足を運んで俳風を確立したともいわれている。
木立に覆われた境内は、落ち葉など清掃が行き届いていた。壁瀬慈峯住職は「巡礼とはどこまでいっても自分の修行です。楽しく気持ちよく回り、御利益をいただいて帰っていただきたい。そのためにも当たり前のところを当たり前に奇麗にして参拝者をお迎えするのがお寺の勤めです」と語る。
日々の生活の中で「当たり前のことを当たり前にこなすこと」。この当たり前の教えを受け、寺を後にした。

 

▼ ガイド
真言宗醍醐派。大津市。JR石山駅から京阪バス「中千町」下車。徒歩約50分。納経時間は午前9時から午後4時。入山料700円。

撮影・文 ◆  土屋 功(つちやいさお)(読売新聞大阪本社)

 

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