読売ライフ3月号 俳句 家藤正人のわたりに季語

2026.03.13 ● 家藤正人のわたりに季語

 

  3月号の兼題「薄氷」

〈特選〉

薄氷や怪談どれも痛み持ち  大阪府 奥村香代

〈優秀〉

うすらひに失語の魚の叫びけり  岡山県 岩橋宣輔

ひるすぎて薄氷草をはなれけり  大阪府 赤澤皆

薄氷を戻って踏んで気が済んで  大阪府 堀内美ゆき

薄氷を踏んで出てくる牛牛牛  大阪府 中橋栄美

面会の我が爪白し薄氷  兵庫県 池田あゆみ

薄氷や母に幽けき記憶の端  神奈川県 武田かつら

薄氷やクレムブリュレを砕く匙  大阪府 長岡博

 
 
〔選評〕
水たまりや川に張った薄氷。触れれば簡単に割れるもろさも魅力の一部です。映像的な句から発想の愉快な句まで描き方は様々。特選は意外な取り合わせの奥村さんに。ちょうど連続テレビ小説「ばけばけ」の影響もあるでしょうか。世の「怪談」なるものが抱えるやりきれない悲哀と「薄氷」のもろさ。十七音の中での両者の出会いが詩の火花を生み出します。ピシと薄氷の鳴く感触が指に、耳に、とがめるかのようによみがえってきます。

 

プロフィル
家藤正人(いえふじ まさと)
1986年生まれ。愛媛県出身。大学卒業後、本格的に俳句に携わり、夏井いつきさんの句会ライブでアシスタント経験を積む。県内にて句会指導、学生を中心とした県内外の単独句会ライブにて活躍中。南海放送ラジオ「夏井いつきの一句一遊」でアシスタント、「家藤正人『一句一遊』虎の巻」でパーソナリティを務める。句集『磁針』(夏井&カンパニー)
 

俳句投稿大募集 !

読売ライフ7月号の兼題は「燕(つばめ)の子」

傍題(ぼうだい)可 … 2026年4月20日必着。
兼題解説:燕は春に飛来し屋根下に巣を作る。燕の子は夏頃生まれ、親の運ぶ餌で育つ。
※兼題とは、句会などに先立って出される題(季語)のこと。
また見出し季語に関連する季語を傍題と呼びます。
兼題または傍題を俳句に詠みこんで、ご投稿ください。

投稿方法
【はがき】
〒530-0055
大阪市北区野崎町5-9 読売大阪ビル8F
(株)読売情報開発大阪 読売ライフ「読者(俳句)」係へ
〒、住所、氏名、年齢、電話番号を明記してください。
掲載は実名です。

【FAX】
06-6364-8163

【メール】

dokusha@yomiuri-jko.co.jp

 


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