BENIOの楽しい囲碁Vol.20  囲碁の特殊ルール「コウ」

2025.06.20 ● BENIOの楽しい囲碁 ● コラム

Vol.20
囲碁の特殊ルール「コウ」

 

今回は囲碁の特殊ルール「コウ」のお話です。特殊と聞いて身構えずに、頭をやわらかくして読んでください。ふにゅん、と。

 

● ◯ ●

  

「コウ」という名前について

 
「え~皆さま、コウとは」と説明する前に。
いったん、ツッコませてほしい。
そもそも「コウ」という名前がわかりにくいんちゃうやろかと。

「コウという特別事項はこうします」だなんて、なにが何やらですよね? コウ? こう? IKKKO(まぼろし~)?

実は、元々は漢字なんです。漢字で書くと永劫の「劫」と書いてコウと読みます。

囲碁のゲームがえんえん、終わらないと勝ち負けがつきません。
そうならないように、作られたルールです。

だから、堅苦しいものではありません。囲碁を楽しくするためのルールやねん。

  

コウの説明

 
さあ、「コウちゃん」(急なちゃん付け)への親しみがわいてきたかな?
もう怖くないと思うからルールを説明するで。

まず、このかたちを見てください。
 

 
手順ごとに説明しますね!

手順① 次は白の番。打つと、黒Aが取れるチャンスです。


 
手順② 白番が、「わーい! 1個ゲットだぜ!」と取りました。


 
手順③ さあ、次は黒の番。あれれ? 今度は白Bを取れるチャンスです。印に打って取り返しましょう!


 
手順④
 
黒番が、白Bを取り返しました。


 
でも……なんだろう。このモヤモヤは。また、打って取られて取り返していつまでも囲碁ゲームが終わらない気がする。

「家の鍵閉めたかな」に匹敵するモヤモヤです。
 
このかたちは、いつまでも取り合いが終わりません。

だから、相手が石を取ったら、すぐに取り返せないルールになっています。

手順③のときに、取り返してはいけなかったのです。
 
「えー、ずるい! どうしても取り返したい」と思うかもしれません。

そんなときは、一回別のところに打ちましょう。

手順③まで時を戻しましょう。

ウィィィィーン…(時を戻す音)。
 
手順③ 次は黒の番です。打ちたいところですが…。


 
ぐっとこらえて、黒石を別のところに打ちます。パチリとな。


 
白番も、別のところに打ちました。


 
黒の番になりました。そしたら、印に打って取り返すことができます。


 
つまり、すぐ取り返さずに一旦一息つくことが大事です。
これが、コウちゃんのルールやで。

● ◯ ●

 

さて、コウちゃんのことがわかったし、アメちゃんでもなめて一息つきましょうか。
え? なぜアメに「ちゃん」をつけるのかって? 関西人やからね。

文/BENIO、囲碁監修/水戸夕香里三段(日本棋院関西総本部所属)

 

囲碁クリエイター・BENIO プロフィール

囲碁クリエイター、棋具研究家。大学在学中に囲碁に関する制作活動を始める。「囲碁おりがみ」(日本棋院製作協力)など囲碁に関するデザイン・商品企画のほか、囲碁フリーペーパー「ココロン」を制作・配布。学校囲碁指導員の資格取得、高校時代から神戸の幼稚園で囲碁を教えるなど囲碁の普及活動を行っている。

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