【人生の心構え】ネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」Vol.29 いい人でいるほど、人はあなたを雑に扱う。

2026.05.07 ● ネコ坊主のねこさんから人間さんへ今日の一言

ネコ坊主の今日の一言イメージ

よみふぁみでは、毎月第1・第3木曜日に、人間関係が楽になる・心にしみることばを紹介するネコ坊主のネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」を連載しています。今回は、いい人でいるほど、人はあなたを雑に扱う。です。

 

ネコ坊主こと、専念寺住職の藪本正啓です。

優しさは、大切な価値観

「いい人」でいようとすることは、とても大切で尊い姿勢です。誰かに優しくありたい、人を傷つけたくないという思いは、人としての温かさの表れであり、多くの人が大切にしたい価値観でもあります。周囲に気を配り、相手のために行動できる人は、それだけで信頼され、愛される存在になっていくものです。

相手を思いやる気持ちと、自分を守る意識は同じぐらい大切

しかし、その優しさが当たり前になったとき、人は無意識のうちにその価値を軽く見てしまうことがあります。最初は感謝されていた行動も、繰り返されるうちに「やってくれて当然」という認識に変わり、気づけば大切にされなくなることも少なくありません。優しさは本来尊ばれるべきものですが、それが過剰になりすぎると、自分自身をすり減らしてしまう原因にもなります。

優しさは美徳である一方で、境界線を持たなければ、自分自身を守ることができません。相手を思いやる気持ちと、自分を守る意識は、どちらも同じくらい大切です。どれだけ相手のためを思っていても、自分を犠牲にし続ける関係は、やがてゆがみを生み出してしまいます

人との関係は、優しさと距離感のバランス

すべてを受け入れることが優しさではありません。本当に大切なのは、自分の気持ちにも正直でいることです。違和感や無理を感じたときには、その感情を見過ごさず、大切に扱う必要があります。「NO」と言うことは、決して相手を拒絶することではなく、自分を大切にするための健全な選択です。そして、その選択があるからこそ、関係はより対等で健やかなものになります。

人との関係は、優しさと距離感のバランスで成り立っています。どちらか一方に偏ってしまえば、関係は長続きしません。だからこそ、無理をせず、自分を尊重しながら人と向き合うことが大切なのです。優しさとは、ただ与え続けるものではなく、自分を守りながら分かち合うもの。その在り方に気づいたとき、本当の意味で心地よい人間関係が築かれていくのだと思います。
 
 
 

プロフィル

融通念仏宗 一向山専念寺 住職 籔本正啓(通称:ネコ坊主)

大阪市平野区喜連にある専念寺の第25代住職。1982年、大阪市平野区生まれ。7歳で父を病で亡くし、 母方の実家である専念寺に戻り、僧侶を志す。 23歳で住職を拝命。専念寺は豊臣家ゆかりのお寺で、「日本で一番美しい」と言われる迦陵頻伽(かりょうびんが)を拝観できる。

地域ネコの見守りと保護活動にも力を入れ、寺の掲示板のことばの書と猫の写真をSNSに投稿し、大きな反響を呼んでいる。Xフォロワー28万人、Instagramフォロワー41万人(2026年2月時点)。

著書に『ネコさんの「心にしみる」おひとりさま名言』(双葉社)、『大阪 専念寺 ネコ坊主の掲示板 人の悩みのほとんどは「人」 今日のことば101」 (主婦と生活社)。

専念寺ホームページ


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