聴こえに不安なシニア記者 精密な聴力検査に初挑戦――!

2026.03.09 くらしネタ 記者ネタ

いつも記者ブログをご覧いただきありがとうござます。
記者の大西秀雅でございます。

読売ライフ4月号の特集記事「忍び寄る加齢性難聴」ご覧いただけましたでしょうか。

コロナ以降、体温を測るのが習慣になったという方も多いのではないでしょうか。かくいう記者もその一人です。

外出前は決まって検温をします。

ところが――です❗

ある時、いつものように体温計をワキに挟んでいたところ待てど暮らせど、あの「ピピッ」という音が鳴らないのです。

「エッ、おかしいなぁ」と思って体温計を取り出すと、計測はすでに完了しているのです。

「ぜんぜん、音せーへんかったやん❓」とつまみ上げて“疑惑”の目を向けていると、その後、我が家の娘がフツーに使っているではありませんか。
原因は「わが耳」……❓
そんな不信感を持ちながら今回の取材を開始したのです。

 

 

耳の老化で高音の聴力が低下する「加齢性難聴」に陥るメカニズムや、放置すると認知症になりやすいという実態はライフ4月号の誌面で詳述しました。

そこで今回は、取材でお世話になった大手前病院(大阪市)耳鼻咽喉科の北山一樹先生にお願いして、聴力検査を受けさせてもらいました。

不肖・大西、今年64歳、まぎれもなくシニアの端くれであります。
しかしながら、職場の健診と人間ドックという年2回の聴力検査では、過去に一度も指摘を受けたことがなかっただけに、自分の聴力を疑うことはありませんでした。

が、しかし、耳鼻咽喉科の聴力検査は職場のそれと違ってとても精密。

職場の健診では異常なしでも耳鼻咽喉科で問題が発覚することはよくある話だそうです。

実は私、体温計の電子音の聞き漏らしだけでなく、耳を澄ますと(澄まさなくても)高音の「キーン」という耳鳴り持ちで、おまけに右耳にイヤホンをしてラジオを聴きながら夜、床に入るクセがあるので、少しばかり右耳の聴こえが弱いと感じていました。
そんなこんなで「加齢性難聴」の疑いは濃厚なのであります。

そこで、取材後、別日に再度、病院に赴きました。

 

 

北山先生「大西さん、耳鳴りはいつからですか」

言われてみるとはっきりした記憶がない……。

北山先生「まず耳の中の写真を撮ってみましょう」。

自分の耳の中を見るのは初めてです。
先端に小型カメラ付きのスコープで外耳道を撮影した画像が横のモニター画面に映し出されます。

北山先生「耳あかもさほどたまっていませんし、鼓膜もキレイです。難聴は加齢性だけではなく、中耳(鼓膜の奥)の炎症などで起こることがあります。鼓膜が見えないくらい耳あかがたまっていたりすると聴こえにも影響が出てきますが、とりあえず耳の中は問題なさそうです」。

北山先生「それではお隣の部屋に移動していただき、聴こえの検査をしましょう。
見ためは何ともなくても、鼓膜の動きが制限されていることはあるんです。
「ティンパノメトリー」という検査で鼓膜に異常がないかをチェックします。
次が純音聴力検査という聴こえの検査です。ヘッドホンから出る125~8000Hzの音域から7種類の音を耳で聴く気導検査と、耳をふさがず骨の振動で音を聴く骨導検査の2種類です。
もし難聴ならその原因がどこにあるかも判明します。
最後に大西さんの耳鳴りの音が実際にどういう高さで、音量がどれぐらいかという検査をやります」。

↑いずれも熟練した検査技師が行ってくれました。所要時間は約30分でした

検査技師さん「お疲れさまでした。検査はこれで終わります」。

「終わったぁ~」

検査技師さんの言葉に思わず声がもれてしまいました。
いつも寝っ転がってボーっとテレビばかり見ている当方にとって、30分間も耳を澄ませて聴こえに集中したのは生まれて初めて。
気が付けば、手のひらは汗びっしょりでした。

◇そして、その検査結果がコチラです。

鼓膜の状態をチェックする「ティンパノメトリー検査」(上)
気導、骨導の純音聴力検査(下)

グラフを見てもチンプンカンプンなので北山先生に解説をしていただきました。

北山先生「鼓膜に圧力などをかけて鼓膜の動きやすさをチェックするティンパノメトリー検査。
グラフの横軸が0のところに山の頂点がくると鼓膜がしっかり動いている証拠です。
山が高いほど鼓膜がよく動いており、大西さんの場合、左右で山の大きさに違いはありますが、これぐらいなら大丈夫です。右耳が若干弱いかなという程度で、おおむね正常です」

北山先生「純音聴力検査の気導ですが、グラフの縦軸が音の大きさ。成人がギリギリ聴こえる0㏈を基準に、上がより小さな音、下はより大きい音でないと聴こえないという意味です。
横軸が周波数(音の高低)。
職場の健診などでは1000Hzと4000Hzの2種類で30㏈の大きさが聴こえれば異状なしですが、耳鼻咽喉科では125~8000Hzの音域から125、250、500、1000、2000、4000,8000Hzの7種類を診ます。
大西さんの場合、耳鳴りがするということで6000Hzも加えて計8種類を検査しました。

グラフを見ると、125~4000Hzまでは左右がほぼ同じですが、6000Hz、8000Hzと高音になると右耳は45㏈でまで大きくしないと聴こえないという結果です。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が提唱してる「聴こえ8030運動」では30㏈の聴力を基準にしていますので、一見するとオーバーしているように思われるでしょうが、グラフ下の平均聴力の表の「4分法」の数字が肝心ですので、大西さんの場合、右耳が26.3㏈、左耳が22.5㏈ということで基準はクリアしています。
ただし、WHO(世界保健機関)は2019年9月に難聴の基準を「20㏈以下」に変えましたので、世界基準では軽度難聴になります。
63歳の年齢からすると比較的聴こえていらっしゃる方だと思います」

北山先生「最後に難聴がどういう音で聴こえているかです。
検査結果では左右とも8000Hzの高音がキーンとなり続けているということでした。
ほぼ、加齢性難聴に伴う耳鳴りです。
聴こえにくい音を脳の聴覚の回路が過敏になり、音がないのに音を感じてしまうということです。
総合的に、大西さんの場合、年齢相応です。これを機に1年に一度は病院で聴力検査をして、ご自分の耳の状態をご認識ください」。

 

 

というわけで、生まれて初めての詳細な聴力検査で、深刻な聴力低下が認められなくてホッひと安心です。
今回の取材と検査を通じてとてもショッキングだったのは、「一度悪くなった聴力は二度と戻らない」という現実です。
聴こえの低下は自分では気づきにくいということなので、これを機に耳鼻咽喉科の聴力検査を毎年、受けようと決めました。

皆さまも、ぜひ、ご自身の耳の状態を把握してみてくださいね。
(記者/大西秀雅)

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