【人生の心構え】ネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」Vol.33 ターゲットには容赦ないのに、仲間には天使みたいに優しい。だから周りは気づかない。モラハラする人が厄介な理由です。

2026.07.02 ● ネコ坊主のねこさんから人間さんへ今日の一言

よみふぁみでは、毎月第1・第3木曜日に、人間関係が楽になる・心にしみることばを紹介するネコ坊主のネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」を連載しています。今回は、「ターゲットには容赦ないのに、仲間には天使みたいに優しい。だから周りは気づかない。モラハラする人が厄介な理由です。」です。

 
ネコ坊主こと、専念寺住職の藪本正啓です。

モラハラをする人は、周囲から信頼されている!?

本当に怖い人は、いつも怖い顔をしているとは限りません。
 
モラハラをする人というと、怒鳴ったり、威圧的だったり、誰に対しても横柄な人を思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、そうではない場合が少なくありません。
 
職場では気配り上手で、人付き合いもよく、近所でも「いい人」と言われている。困っている人を助けることもあり、笑顔も多い。そのため、周囲からは信頼され、「あんな立派な人が」と思われることがあります。
 
ところが、その人が家庭に帰った途端、あるいは恋人や配偶者、子どもなど、自分に逆らいにくい相手の前では別人のようになることがあります。言葉で傷つけたり、人格を否定したり、無視を繰り返したりして、相手の心を少しずつ追い詰めていくのです。
 
だから被害を受けている人が勇気を出して相談しても、「あの人がそんなことをするはずがない」「何か誤解じゃないの」と言われてしまうことがあります。周囲が見ている姿と、家の中で見せる姿があまりにも違うからです。
 
こうした人は、誰にでも同じ態度を取っているわけではありません。相手をよく見ています。反論されそうな人には丁寧に接し、自分より立場が弱い人や逃げ場の少ない人には強く出ることがあります。そのため、被害を受けている人だけが孤立し、「私がおかしいのかもしれない」と自分を責めてしまうことも少なくありません。

本当に優しい人は、相手によって優しさを使い分けない

仏教には「人前だけを飾っても、心までは飾れない」という教えがあります。どれほど外見を取り繕っても、その人の心は日々の言葉や行いとなって自然に現れてきます。誰も見ていない場所での振る舞いこそ、その人の本当の姿に近いのです。
 
人を見極めるときは、肩書きや評判だけで判断しないことも大切です。店員さんへの接し方、家族への話し方、自分に利益のない相手への態度。そうした何気ない場面に、その人の人柄は静かに表れます。
 
本当に優しい人は、相手によって優しさを使い分けません。見返りがある人にだけ親切なのではなく、自分より弱い立場の人にも、身近な家族にも、できる限り同じように接しようとします。
 
人の本当の価値は、人前で拍手をもらう姿ではなく、誰も見ていない場所でどんな言葉を選び、どんな態度を取っているかに表れるのではないでしょうか。そういう人こそ、静かに信頼され、長く人との縁を育んでいける人なのだと思います。

 
 
 

プロフィル

融通念仏宗 一向山専念寺 住職 籔本正啓(通称:ネコ坊主)

大阪市平野区喜連にある専念寺の第25代住職。1982年、大阪市平野区生まれ。7歳で父を病で亡くし、 母方の実家である専念寺に戻り、僧侶を志す。 23歳で住職を拝命。専念寺は豊臣家ゆかりのお寺で、「日本で一番美しい」と言われる迦陵頻伽(かりょうびんが)を拝観できる。

地域ネコの見守りと保護活動にも力を入れ、寺の掲示板のことばの書と猫の写真をSNSに投稿し、大きな反響を呼んでいる。Xフォロワー28万人、Instagramフォロワー41万人(2026年2月時点)。

著書に『ネコさんの「心にしみる」おひとりさま名言』(双葉社)、『大阪 専念寺 ネコ坊主の掲示板 人の悩みのほとんどは「人」 今日のことば101」 (主婦と生活社)。

専念寺ホームページ


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