再訪 西国三十三所 第十三番札所「石光山 石山寺」
第十三番札所
石光山 石山寺
せっこうざん いしやまでら
御詠歌 ◆
後の世を 願うこころは かろくとも
ほとけの誓い おもき石山

山道を下りると大きな石の上に立つ古刹(こさつ)に着いた。参道の石段を上ると石灰岩がマグマの熱作用で変化した硅灰石(けいかいせき)が威容を見せている。四季折々の花が境内を彩る「花の寺」としても親しまれている。
懸け造りの本堂には、秘仏の如意輪観世音菩薩像が安置されている。日本で唯一の勅封の観音様で、33年に1度か天皇即位などの特別な時にしか開扉されない。


本堂の一角には「源氏の間」がある。1000年以上も読み継がれている「源氏物語」を書いた紫式部が参さん籠ろうし構想を練ったとされる。境内をさらに上ると月見亭があり、瀬田川を通して琵琶湖が見渡せる。紫式部は、湖面に映る月を眺め「今宵(こよい)は十五夜なりけりと思(おぼ)し出(い)でて……」と書き始めたと伝わる。平安貴族の女性たちに人気だった石山詣では、宮中の狭い人間関係から解き放たれてリフレッシュすると同時に、誰にも言えない悩みを観音様に打ち明けられる機会だったのだろう。
石山寺の田中眞一参事は「非日常は大切なこと。そこで自分を振り返り反省の心や何か足りないことを観音様に手を合わせて語りかけ、語り返してもらい、また日常に戻っていく。そのように巡礼は続いていくのでしょう」と話す。

かつての石山詣でとは逆に瀬田川を琵琶湖に向かい、また日常の世界に戻った。


▼ ガイド
東寺真言宗。大津市。JR石山駅から京阪石山寺駅下車。徒歩約10分。納経時間は午前8時から午後4時半(最終入山午後4時)。入山料は中学生以上600円。小学生250円。
東寺真言宗。大津市。JR石山駅から京阪石山寺駅下車。徒歩約10分。納経時間は午前8時から午後4時半(最終入山午後4時)。入山料は中学生以上600円。小学生250円。
撮影・文 ◆ 土屋 功(つちやいさお)(読売新聞大阪本社)
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