伝えたい “食の知識” Vol.9 熱中症予防、実は「水を飲む」だけでは不十分?(摂南大学 安藤真美教授に教えていただくシリーズです)

2026.07.09 ● 伝えたい食知識

摂南大学農学部食品栄養学科・教授  安藤真美さん

 

熱中症予防、実は「水を飲む」だけでは不十分?

熱中症対策といえば、まず思い浮かぶのは「こまめな水分補給」ではないでしょうか。ただ、高齢になるとのどの渇きを感じにくくなるため、水を飲むことだけに頼っていると、対策として十分とはいえない場合があります。そこで見直したいのが、食事を通じた水分・塩分補給です。  

 夏野菜で水分・塩分補給

実は、毎日の食卓にはこうした補給に役立つ食材がたくさんあります。たとえばスイカやキュウリ、トマト。これらの夏が旬の野菜・果物は水分が90%近くを占めており、食べるだけで自然と水分がとれます。具だくさんのみそ汁や漬け物を組み合わせれば、塩分やミネラルも同時に補えるでしょう。水を「飲む」のが苦手な方でも、「食べて」補えるなら無理なく続けられそうです。

 低栄養状態を防ぐ

加えて見落としやすいのが、たんぱく質です。筋肉や血液など体のさまざまな機能を支える栄養素で、不足が続くと低栄養を招き、体力や体調を崩す原因にもなります。特に高齢の方では、こうした低栄養状態が熱中症のリスクを高めるとも言われています。

 火を使わない一品を加えて

とはいえ、暑くて食欲がないときほど、たんぱく質の量は減りがちなもの。豆腐や卵、刺身のように火を使わず食べられるものを一品加えるだけでも、水分・塩分・たんぱく質をまとめて補給できます。食欲がない日が続くなら、量より質を意識してみてください。
水分・塩分・たんぱく質。この3つを意識した食事が、暑い季節を元気に過ごすための土台になります。難しく考えず、まずは一品から取り入れてみませんか。

おすすめの1品

「冷やし豆腐と夏野菜の梅だしジュレがけ」

【材料(4人分)】
絹ごし豆腐………300g
ミニトマト………12個
キュウリ…………1本
かつおだし………150ml
(水150mlとかつお顆粒だし0.5~1gで作る)
梅干し……………1個
しょうゆ…………小さじ1
粉ゼラチン………2g
大葉………………8枚
 
【作り方】
1.だしジュレを作る
    ①かつおだしに粉ゼラチンをふり入れ、弱火にかけてゼラチンを溶かす(ゼラチンが溶ければよいので沸騰させないように気をつける)。
    ②種を取ってたたいた梅干しとしょうゆを入れて混ぜ、容器に入れ、粗熱を取ってから冷蔵庫で冷やし固める。

2.具材を切る
    ①絹ごし豆腐は食べやすい大きさに切る。
    ②ミニトマトは半分に切り、キュウリは輪切りにする。

3.盛り付け
    器に絹ごし豆腐とミニトマト、キュウリを盛り、固まっただしジュレをスプーンで崩しながらのせる。千切りにした大葉を散らす。

(よく冷やして召し上がってください。)
 
 
【栄養のポイント】
水分・塩分・たんぱく質をひと皿で叶えるおすすめのレシピです。梅とだしのジュレにはミネラルと水分がたっぷり含まれ、豆腐でたんぱく質も補給できます。火を使わずに作れるので、食欲が落ちる暑い日にもぴったりの一品です。
 

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