【人生の心構え】ネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」Vol.32 寝不足で悩み事をしてたら地獄に堕ちるわよ。夜中の脳みそは大体嘘つき。

2026.06.18 ● ネコ坊主のねこさんから人間さんへ今日の一言

生垣の前座ってこちらを見るネコ_「寝不足で悩み事をしてたら地獄に堕ちるわよ。夜中の脳みそは大体嘘つき。」ネコ坊主かく

よみふぁみでは、毎月第1・第3木曜日に、人間関係が楽になる・心にしみることばを紹介するネコ坊主のネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」を連載しています。今回は、「寝不足で悩み事をしてたら地獄に堕ちるわよ。夜中の脳みそは大体嘘つき。」です。

 
ネコ坊主こと、専念寺住職の藪本正啓です。

夜になると悩みが大きく見える!?

夜になると、不思議なくらい悩みが大きく見えることがあります。
 
昼間なら「まあ何とかなるか」と思えていたことでも、布団に入った途端に急に心配になってしまうことがあります。
 
「あの時、あんなこと言わなければよかった」
「この先どうなるんだろう」
「嫌われたかもしれない」

 
そんな考えが次から次へと浮かんできて、頭の中で勝手に話が大きくなっていきます。気がつけば眠れなくなり、時計を見るたびに焦りが増してしまうこともあります。
 
けれど不思議なことに、翌朝目が覚めると、昨夜あれほど大きく見えていた悩みが少し小さくなっていることがあります。
 
「あれ?そこまで深刻な話ではなかったかもしれない」
「考えすぎていただけかも」
 
そう思えることも少なくありません。
 
実は寝不足や疲れている時の脳は、物事を必要以上に悪く考える傾向があると言われています。心も体も疲れている時は、未来の不安を大きく見せたり、過去の失敗を何度も思い出させたりします。
 
つまり、夜中に頭の中で繰り広げられている不安のすべてが現実とは限らないのです。

仏教でいう「妄想もうぞう」とは

仏教にもこれに通じる教えがあります。
 
それは「妄想」という言葉です。
 
妄想というと空想や夢のようなものを思い浮かべるかもしれませんが、仏教でいう妄想とは、事実ではないのに自分の心が勝手に作り出してしまう思い込みのことです。
 
相手は何も言っていないのに「嫌われたに違いない」と決めつける。
まだ起きてもいない未来なのに「きっと失敗する」と思い込む。
 
これらは現実ではなく、自分の心が作り出した物語かもしれません。
 
お釈迦さまは、人は苦しみの多くを現実そのものではなく、自分の心が作り出した考えによって大きくしてしまうと説かれました。
 

今日の不安が明日には違って見える

もちろん悩みがあること自体は悪いことではありません。真面目に生きているからこそ悩むのです。
 
ただ、夜中の疲れた心で人生の結論を出そうとしなくてもいいと思います。
 
眠れない夜は、「今の私は疲れているだけかもしれない」「今の脳みそは少し嘘をついているかもしれない」と考えてみてください。
 
大切な決断は朝になってからでも遅くありません。
 
今日の不安が、明日には違って見えることもあります。
 
人生を変える答えを、夜中に無理やり探さなくてもいいのです。
 
そんな時は深呼吸をして、「明日の自分に任せよう」と思ってみてください。
 
夜は心の影が長く伸びる時間です。
 
だからこそ、夜に見える景色だけで人生を判断しないことです。

朝日が昇れば、見え方はきっと変わります。
 
悩みが消えなくても、背負い方は変わります。
 
そして何より、眠ることもまた、自分を大切にする立派な修行なのだと思います。

 
 
 

プロフィル

融通念仏宗 一向山専念寺 住職 籔本正啓(通称:ネコ坊主)

大阪市平野区喜連にある専念寺の第25代住職。1982年、大阪市平野区生まれ。7歳で父を病で亡くし、 母方の実家である専念寺に戻り、僧侶を志す。 23歳で住職を拝命。専念寺は豊臣家ゆかりのお寺で、「日本で一番美しい」と言われる迦陵頻伽(かりょうびんが)を拝観できる。

地域ネコの見守りと保護活動にも力を入れ、寺の掲示板のことばの書と猫の写真をSNSに投稿し、大きな反響を呼んでいる。Xフォロワー28万人、Instagramフォロワー41万人(2026年2月時点)。

著書に『ネコさんの「心にしみる」おひとりさま名言』(双葉社)、『大阪 専念寺 ネコ坊主の掲示板 人の悩みのほとんどは「人」 今日のことば101」 (主婦と生活社)。

専念寺ホームページ


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