職場で心を開きすぎるな。あなたの秘密は誰かの話のネタになる。|ネコ坊主の今日の一言 Vol.35

よみふぁみでは、毎月第1・第3木曜日に、人間関係が楽になる・心にしみることばを紹介するネコ坊主のネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」を連載しています。今回は、「職場で心を開きすぎるな。あなたの秘密は誰かの話のネタになる。」です。
ネコ坊主こと、専念寺住職の藪本正啓です。
職場は友達をつくるための場所ではなく、それぞれが仕事という役割を果たす場所でもある
職場では毎日のように同じ人と顔を合わせます。朝のあいさつを交わし、一緒に仕事をして、休憩時間には他愛のない話で笑い合う。そんな日々を過ごしていると、いつの間にか「この人は友達みたいな存在や」と感じることがあります。それ自体は決して悪いことではありません。気持ちよく働くためには、信頼できる人や話しやすい人がいることは大切です。
しかし、この当たり前のことを忘れてしまうと、人間関係で思わぬ苦しみを抱えることがあります。
「この人なら安心や」と思って、自分の悩みや家庭のこと、職場への不満、誰にも言っていない秘密を打ち明けることがあります。ところが数日後、「なんでその話を知ってるん?」と驚くような場面に出会うことがあります。
もちろん、最初に話を聞いた人が悪意を持って広めたとは限りません。「実はこんなことで悩んでるらしいよ」と心配する気持ちで話したのかもしれませんし、「誰にも言わんといてな」と言われたことを、つい別の人に話してしまっただけかもしれません。でも、その「つい」が積み重なると、話はあっという間に職場中へ広がってしまいます。
何でも話せる相手と、仕事を一緒にする相手は必ずしも同じではない
人は悪意だけで動くものではありません。善意や軽い気持ちからでも、人を傷つけることがあります。だからこそ、「人を信用したらあかん」ということではなく、「何を話すかは自分で選ぶ」ということが大切なのです。
仏教には「口は禍福の門」という教えがあります。それは人を傷つける言葉だけではありません。自分の秘密や、まだ話す必要のないことまで口にしてしまえば、その言葉が巡り巡って自分を苦しめる原因になることもあります。
だから、です。
仕事では笑顔で接し、困っている人がいたら助け合う。感謝の言葉を忘れず、誠実に向き合う。それだけで十分に良い人間関係は築けます。けれど、自分の心の奥底まで誰にでも見せる必要はありません。
近づきすぎれば期待が生まれ、期待が大きくなれば、少しの言葉や態度にも傷つきやすくなります。適度な距離があるからこそ、お互いを尊重し、気持ちよく付き合えることも少なくありません。
職場は仕事をする場所です。仲良くすることは大切ですが、何でも話せる相手と、仕事を一緒にする相手は必ずしも同じではありません。その
人とのご縁を大切にしながらも、自分を守る境界線も忘れない。そのバランスを持つことが、仏教でいう「中道」の生き方にも通じるのではないでしょうか。

おすすめ記事
新着記事
