本当に恐ろしい人間は、敵の顔では現れない。信用を得てから牙をむき、被害者の顔で去っていく。|ネコ坊主の今日の一言 Vol.36 

2026.08.20 ● ネコ坊主のねこさんから人間さんへ今日の一言

ネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」Vol.36 本当に恐ろしい人間は、敵の顔では現れない。信用を得てから牙をむき、被害者の顔で去っていく。気をつけて ネコ坊主かく

よみふぁみでは、毎月第1・第3木曜日に、人間関係が楽になる・心にしみることばを紹介するネコ坊主のネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」を連載しています。今回は、「本当に恐ろしい人間は、敵の顔では現れない。信用を得てから牙をむき、被害者の顔で去っていく。」です。

 
ネコ坊主こと、専念寺住職の藪本正啓です。

危険な人は敵の顔では現れない

人は「危険な人」と聞くと、怒りっぽい人や威圧的な人を思い浮かべます。しかし、本当に気をつけなければならない相手は、最初から敵の顔をして近づいてくるとは限りません。
 
むしろ、親切で優しく、気配りができて、信頼できそうに見える人ほど注意が必要な場合があります。
 
人は優しくされると安心し、自然と心を開きます。そして十分な信用を得たあとで裏切られたり、利用されたりして初めて、「あの人はそういう人だったのか」と気づくのです。
 
さらに、そのような人ほど、自分を被害者のように振る舞うことがあります。そのため周囲は真実を見誤り、本当に傷ついた人が誤解されてしまうことも少なくありません。

 

本当の姿は日々の行いに表れる

仏教では、人は外見や言葉だけを見て判断してはならないと説きます。『法句経』には、「花は美しくても香りのないものがあるように、言葉だけで行いの伴わない人に価値はない」という教えがあります。
 
どれほど優しい言葉を口にしても、約束を守らない人。人によって態度を変える人。陰では人を傷つける人。その人の本当の姿は、言葉ではなく、日々の行いの中に表れます
 
反対に、口数は少なくても、誠実に人と向き合い、困っている人にそっと手を差し伸べる人もいます。仏教では、その積み重ねを「徳」と呼びます。徳は飾るものではなく、自然とにじみ出るものです。
 
もちろん、すべての人を疑って生きる必要はありません。しかし、信頼は急いで築くものではなく、時間をかけて育てるものです。

 

善いご縁は時間が教えてくれる

人を見る目を養うということは、相手を疑うことではありません。目先の言葉や印象に惑わされず、その人の生き方を静かに見つめることです。
 
仏教では、「縁」をとても大切にします。しかし、良い縁もあれば、自分を苦しめる縁もあります。だからこそ、焦って縁を結ぶのではなく、相手の行いを見つめ、善い縁かどうかを見極めることが大切です
 
人は肩書きでも笑顔でもなく、日々の行いにその人の本性が映ります。だからこそ、時間という物差しで人を見つめること。それが、自分自身を守り、善いご縁に恵まれる第一歩なのだと思います。

 
 
 

プロフィル

融通念仏宗 一向山専念寺 住職 籔本正啓(通称:ネコ坊主)

大阪市平野区喜連にある専念寺の第25代住職。1982年、大阪市平野区生まれ。7歳で父を病で亡くし、 母方の実家である専念寺に戻り、僧侶を志す。 23歳で住職を拝命。専念寺は豊臣家ゆかりのお寺で、「日本で一番美しい」と言われる迦陵頻伽(かりょうびんが)を拝観できる。

地域ネコの見守りと保護活動にも力を入れ、寺の掲示板のことばの書と猫の写真をSNSに投稿し、大きな反響を呼んでいる。Xフォロワー29万人、Instagramフォロワー45万人(2026年7月時点)。

著書に『ネコさんの「心にしみる」おひとりさま名言』(双葉社)、『大阪 専念寺 ネコ坊主の掲示板 人の悩みのほとんどは「人」 今日のことば101」 (主婦と生活社)。

専念寺ホームページ


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