【アフターレポート】読売ライフの俳句コーナー選者・家藤正人さんが兵庫県明石市で「ジュニア句会ライブ」を行いました!

2026.09.16 ● エンタメ&カルチャー

読売ライフの俳句コーナー「家藤正人のわたりに季語」の選者を務める家藤正人さんが、8月8日、兵庫県明石市の複合型交流拠点ウィズあかしで「ジュニア句会ライブ」(明石文化国際創生財団主催)を行いました。

「ジュニア句会ライブ」は、俳句をしたことのない子供でも、楽しみながら俳句にふれられるという企画で、明石では昨年に続いて2回目の開催。
対象は小学生とその保護者で、事前募集に応募した約90人が参加し、俳句作りを体験しました。
中には2年連続で参加したという小学生もいて、盛り上がりは昨年以上でした。

INDEX
・句会ライブは、一人一句の真剣勝負!
・句について想像をふくらませ、語り合う
・祖母への感謝を句にこめて
・チャンピオンは「からあげクン二個増量で秋うらら」
・句会ライブがその後につながるうれしさ

句会ライブは、一人一句の真剣勝負!

冒頭、俳句の世界では、誰でも応募できて賞をとれば賞金がもらえる様々な賞やコンテストがあるという紹介に、子供も大人も興味津々。
やる気満々で句会ライブがスタート!

「今日するのは、俳句の勉強ではありません。チャンピオンを決める俳句のゲームです!」と家藤さん。
講座を受けるような堅苦しい雰囲気はなく、家藤さんが身近なことを話題に子供たちに問いかけ、それに子供たちが答えるというかけ合いをしているうちに、いつの間にか「ほら、一句できた」といった感じです。

参加した小学生らも最初は「俳句ってむずかしそう」って、かまえていたかもしれないけれど、句会ライブが始まると積極的に手を挙げたり、元気に答えたり、家藤さんとのコミュニケーションの中で、自然と俳句作りのコツがつかめたかのよう。

いよいよ準備が整って、ここからが子供も大人も全員で、その日のチャンピオンの座をかけた一人一句の真剣勝負!
制限時間は5分間「5分考えて思いつかんものは、2時間考えても思いつかん」というのが、家藤さんの母で俳人の夏井いつきさんの言葉だそう。

また、この句会ライブで大切なルールのひとつが、自分が作った句については、決して他の人に言わないこと。子供たちは、隣の人に見えないように手元を隠したり、椅子を机代わりにして覆いかぶさったりしながら、投句用紙に思いついた句を書いていました。

句を書き終え、提出した人から約10分間の休憩時間。
その間、家藤さんは提出された投句用紙を長机に並べ、選定作業へ。
参加者と笑顔で話していたモードとはがらりと変わって、黙々と机の上で用紙を上下にずらしながら、すべての句に目を通していきます。

句について想像をふくらませ、語り合う

後半が始まり、この日の特選句に選ばれたのが、下の7句でした。

てんたかししゃちといるかといちねんせい

夏の月いつもごうかな夜ごはん

朝おきて光る納豆秋の空

重力を星に脱ぎ捨て夏の蝶

風薫る心をこめて石けずる

からあげクン二個増量で秋うらら

稲光見て待ちわびるエンジンの音

ここからは、選ばれた7つの句について、「作った人はどんな人」「子供目線で詠まれた句なのか、親から目線で詠まれた句なのか」など、想像をふくらませながら、子供も大人も一緒に意見交換の時間。
まだ作者は発表されていないので、自分の句があったなら、一票でも多く集めるために自分の句をほめるのもありです。

「他の人の意見を聞くと、そういう考え方もあるのかと句の見え方が変わってくるよね」と家藤さん。
特選句それぞれのみんなの意見を参考に、いよいよチャンピオンを決める決選投票へ。

祖母への感謝を句にこめて

参加者全員による決選投票が終わると、それぞれの句の作者が順番に発表されていきました。

「夏の月いつもごうかな夜ごはん」の句を詠んだのは、千葉県市川市の小学6年生、酒井莉衣那(りいな)さんでした。
この日は兵庫県西宮市の祖母らと句会ライブに参加。
「夏休みで、おばあちゃんの家に遊びに来ていて、毎晩作ってくれる夜ごはんがいつも豪華でうれしい」という感謝をこめて作った句だと明かしました。
隣の席に座っていた祖母は、その言葉に感極まって涙……。記者ももらい泣きしそうになりました。

思わぬ感動的なシーンに、家藤さんも「普段ご飯を作ってもらって、ありがとうと面と向かって言うかというと、なかなか無いじゃないですか。俳句という形で思いを伝えるということが、よりよい家族関係にもなっていくんじゃないでしょうか。あれは泣く展開でしたよね」と振り返っていました。

チャンピオンは「からあげクン二個増量で秋うらら」

身近な喜びが参加者の共感を集めて見事チャンピオンに輝いた句は、「からあげクン二個増量で秋うらら」
作者は兵庫県伊丹市の小学6年生の三坂希愛(のあ)さんでした。
「俳句は学校では習ったことはありますが、こういう賞をもらったのは初めてで、めっちゃうれしいです!家藤さんのお話も俳句も面白かったです。これからも句会ライブがあったら行ってみたいです」とにっこり。

ちなみに三坂さんと〝ごうかな夜ご飯〟の句を詠んだ酒井さんは、いとこ同士でした。
お孫さん二人が特選句に選ばれた祖母の鈴木緑さん(西宮市在住)は「私自身、俳句が好きで、夏休みで帰省している孫たちも一緒に行ったら楽しいだろうなと思って申し込みました。子供たちも私にとってもいい思い出になりました」と優しい笑顔で孫たちの健闘を一緒に喜んでいました。

いとこ同士でチャンピオンを競い合った三坂さんと酒井さん(右)

句会ライブがその後につながるうれしさ

句会ライブ終了後、2回目となった明石市でのジュニア句会ライブについて、「お話をいただいた時は光栄でした。前回もそれだけ子供たちが楽しんでくれたということと、明石市文芸祭につながっているというのがうれしかったですね。俳句作りを楽しいと思ってくれた子供たちが、その後何かにつながっていくということは文化を育むことにもなるので、その一助になれたことが何よりうれしいです」と笑顔で話してくれた家藤さん。

「みんな発想がユニークでしたよね(笑)。今回は子供たちがたくさん話してもらえるように、プレゼント用のシールを用意していたのですが、それが必要ないくらいに、みんな積極的に話してくれました。そういうのを抜きにして楽しんでくれた空気感がうれしかったです」と、〝笑いあり、涙あり〟で盛り上がった句会ライブを満足そうに振り返っていました。

句会ライブで大活躍だった鈴木さんファミリー

記者 < 山下哲也>
中学生の男の子がいる読売ファミリー・読売ライフ記者。ガンプラ収集と作るのが楽しみ。子供と一緒に最近のアニメやコミックにはまっている。

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