再訪 西国三十三所 第十四番札所「長等山 園城寺(三井寺)」

2026.05.20 ● 再訪 西国三十三所

 

第十四番札所
   長等山 園城寺(三井寺)  

ながらさん  おんじょうじ(みいでら)

 

御詠歌

いでいるや 波間の月を 三井寺の
鐘の響きに あくる湖

 

園城寺(三井寺)

琵琶湖に面した長等山に広大な境内を持つ園城寺には、3つの門がある。徳川家康が寄進した「仁王門」と中ほどにある「総門」。そして南端にある門を入ると「表坂」があり、長い石段が続く。上りきると札所の観音堂がそびえる。
「観音様に対して表だから表坂です」と同寺の僧侶・犬山空翼(くうよく)さんが説明する。


古くから東大寺、興福寺、延暦寺と並ぶ日本四箇大寺に数えられ、境内に天智、天武、持統と三帝の産湯に使われた霊泉が湧くことから「御井の寺」と呼ばれ、今も閼伽井屋(あかいや)の中で霊泉がこんこんと湧き出ている。後に智証大師円珍が三部潅頂(さんぶかんじょう)という僧侶の儀式にこの水を使ったことから「三井寺」と親しまれてきた。
国家鎮護を祈る寺の中で、唯一誰でも参拝できるのが観音堂だった。かつては山奥にいた観音様が、ある日、僧の枕元で「山を下りて人々を助けたい」と訴え、現在の場所に移ったといわれている。
犬山さんは「意のごとしの如意輪観音様なので何でもかなえてくれます。人に言えないことでも、仏様の前に座れば心の中で言えることもあります。仏様と会話することが大事なのかと思います」と語る。


観音堂からさらに石段を上ると展望台があり、背後に比良山系から前には琵琶湖が広がり、まるで補陀落山の観音浄土を一望しているようだった。
夕暮れ時になると「三井の晩鐘」の重厚な音が、余韻が長く境内に響き渡った。

 

 

▼ ガイド
天台寺門宗総本山。大津市。京阪「三井寺」駅下車。徒歩約7分。納経時間は午前9時から午後4時半(最終入山午後4時)。入山料は大人800円、中高生500円、小学生300円。

撮影・文 ◆  土屋 功(つちやいさお)(読売新聞大阪本社)

 

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