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1970年代、少年たちの心をわしづかみにしたフラッシャー自転車

2024.01.30 記者ネタ


読売ライフの山下哲也です。
3月号の「覚えていますか?」コーナーで紹介したのが、1970年代にブームを巻き起こした フラッシャー自転車ブーム でした。
そのブームの中でも圧倒的な人気を誇っていたのが、ナショナル自転車(現パナソニック サイクルテック)の「エレクトロボーイ」。大阪府柏原市にある同社を取材し対応してくださったのは、同社OBで当時ジュニアスポーツ車の設計担当者の山城戸治さん(写真左)と、製品審査室長の河波理さん(同右)、そして広報課の稲谷智美さんです。取材は「フラッシャー自転車」のことだけでなく、3人の昭和時代の懐かしい思い出話で、大いに盛り上がりました 😄


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「子供の頃、自転車って憧れでした。乗れるということだけで嬉しく、遠くまで行けて、行動範囲も広がりますし、風を切って走る、風を感じるということも魅力でした」 と稲谷さん。子供の頃、初めて自転車に乗れた喜びを思い出すような言葉でした。
フラッシャー自転車はなぜ少年たちの心をつかんだのでしょうか。
山城戸さん「ただ乗るだけではなく、動かす楽しみがあったことだと思います」 と言います。当時は高速道路網が整備されて道路の舗装が進み、車が一気に普及。幼いながらも「いつかはエンジン付きの乗り物に乗りたいという」憧れがあった時代。16歳になったら自動二輪の免許を取ってバイクに乗れる、18歳になったら普通自動車の免許が取れる。「16歳までの、そういう欲求を満足させるものとして、フラッシャー自転車ができたと思います」
中でもナショナル自転車の「エレクトロボーイ」の人気が高かった理由の一つが、トランジスタを使ってスイッチのオンオフを切り替える無接点方式だったことです。提供資料のカタログには「プリント配線」という言葉も書かれていました。 「振動に強く、故障が少ないという点で信頼性が高かったのは、電器屋としての強みでした」 と山城戸さん。他社の電子フラッシャーは、モーターで電極を回して接点を切り替えるという機械式で、接点がずれると電気が流れず、光らなくなるという故障につながることもあったそうです。

人気車種の中でもハイクラスモデルの「エレクトロボーイZ〈ブラックマスク〉
そのカタログ(パナソニック サイクルテック提供)が、コチラ↓

エレクトロボーイZ〈ブラックマスク〉
電子フラッシャーも大きくなって、見た目のインパクトも抜群のカッコ良さ❗️
しかし、左上に書かれた価格は なんと59,800円❗️
50年前でこの価格とは、なんと高価な乗り物だったのかと驚きです。
フラッシャー自転車の価格について、ブーム当時は小学校高学年でターゲットど真ん中だったという河波さんは  「大卒初任給に匹敵するくらいの値段だったと思います。そんな高価なもの、ねだっても買ってもらえないのわかってるから、ねだることもできなかった…」 と少年時代の思い出とともに教えてくれました。

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「フラッシャー自転車は、とにかく電池の消耗が早かったんですよ。しょっちゅう電池を換えないといけなくて、当時は自転車屋さんにも電池を販売していました」 と山城戸さん。エレクトロボーイZでは、単2乾電池を6本使って、いくつもの豆球を光らせる仕組みだったので、連続で使うと数時間しかもたなかったそうです。
「うちは実家が電器屋だったので、電池をケースで買いに来る人がいるくらい、よく売れていたと聞いた覚えがあります」 と稲谷さん
今では、電池は100均や量販店で安く買えますが、たしかに子供の頃は近所の電器屋さんに買いに行ってましたね…。

アッという間に流行したフラッシャー自転車でしたが、70年代後半にスーパーカーブームが始まったのを境に姿を消していきました。ブームのきっかけは、75年に週刊少年ジャンプで連載が始まった「サーキットの狼」だったそう。
少年たちはカウンタックやフェラーリ、ポルシェなどスーパーカーに夢中になり、自転車業界にもスーパーカー自転車が登場! 河波さん「スーパーカーのヘッドライトのように、スイッチを入れるとライトが起き上がるようなフロント周りに特徴を持たせた自転車へと変わっていきました」 と、同社のショールームに展示されていた79年発売の「ビームアップ」を見せてくれました。
河波さんが先輩・山城戸さんからの要望が出た 「ポスター(写真右)の少年が大人になったらこんな感じ?」 
ということで同じポーズでパチリ❗️

その写真がコチラ↓

残念ながら、同社のショールームにフラッシャー自転車は残っていませんでしたが、 1952年発売のナショナル自転車の第1号「ハイパー号」を始め、歴史をたどるように様々な自転車30台以上が展示されていました。

動画はコチラ⬇︎

取材後、自宅で小学5年の息子に、フラッシャー自転車のカタログや、スーパーカー自転車のヘッドライトが上がる動画を見せてみると「えっ? 何コレ?  未来の自転車?  かっけ~」と。意外な反応にこちらがびっくり。今の子供にとっても50年前に流行った自転車は、ブーム当時の少年たちの同様にかっこよく見えたよう。
でも、59,800円という値段には「高(たか)っ!」と。確かにパパは君が欲しがっても買ってあげられません(笑) 😆

山下 哲也

小学生の男の子がいる読売ファミリー・読売ライフ記者。ガンプラ収集と作るのが楽しみ。子供と一緒に最近のアニメやコミックにはまっている。

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