ネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」Vol.18 「すぐに分かってもらおう」これがトラブルの元。時には時間をかけなければならないことを知っておくこと。

2025.11.20 ● ネコ坊主のねこさんから人間さんへ今日の一言 ● コラム

ネコ坊主の ネコさんから人間さんへ今日の一言 タイトル 
Vol.18

「すぐに分かってもらおう」これがトラブルの元。時には時間をかけなければならないことを知っておくこと。

道端で何かを見つめて座るネコ_「すぐに分かってもらおう」これがトラブルの元。時には時間をかけなければならないことを知っておくこと。ネコ坊主かく

 

ネコ坊主こと、専念寺住職の藪本正啓です。
 
私たちはつい、「早く分かってほしい」「すぐに理解してもらいたい」と思ってしまいます。
しかし、その思いが強くなるほど、相手との間に小さなズレが生まれ、やがてトラブルへと発展していくことがあります。
「すぐに分かってもらおう、これがトラブルの元」という言葉は、その〝焦り〟への警鐘を示しました。

 

「時間をかける」という優しさ

人の心は、同じ景色を見ても、同じ出来事に出会っても、感じ方が違います。
それは、長い人生の中で育った環境や経験がそれぞれ異なるからです。
だからこそ、「なぜ分からないんだ」と思うのは、相手の時間を無視していることになるのかもしれません。
相手が理解するまでには、その人のペースがあります。
それを尊重することこそが、本当の思いやりなのだと思います。

たとえば、人間関係で誤解が生じたとき。
「言ったのに分かってもらえなかった」と嘆くよりも、「もう少し伝え方を変えてみよう」と考えられたら、関係はぐっとやわらかくなります。
理解とは、説明の上手さではなく、信頼と時間の積み重ねの中で育っていくものなのでしょう。

 

相手と自分のペースを大切に

ネコを見ていると、それがよく分かります。
こちらが焦って近づこうとすると、ネコは警戒して逃げてしまいます。
でも、静かに座って、相手のペースを待っていると、やがてネコの方から近づいてくることがあります。
人の心も、それと同じではないでしょうか。
信頼も理解も、「待つ」という優しさの中で育っていくのです。

「すぐに分かってもらおう」とする気持ちは、人を急かし、自分をも苦しめます。
けれど、「時間をかけることも大切だ」と知っていれば、心は少し穏やかになります。
焦らず、ゆっくりと、相手と自分のペースを大切にする。
それこそが、争いのない世界をつくる第一歩なのかもしれません。

 

★ネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」は、毎月第1・第3木曜日に「〝人間関係が楽になる〟〝心にしみる〟ことば」を紹介しています。

 

プロフィル

融通念仏宗 一向山専念寺 住職 籔本正啓(通称:ネコ坊主)

大阪市平野区喜連にある専念寺の第25代住職。1982年、大阪市平野区生まれ。7歳で父を病で亡くし、 母方の実家である専念寺に戻り、僧侶を志す。 23歳で住職を拝命。専念寺は豊臣家ゆかりのお寺で、「日本で一番美しい」と言われる迦陵頻伽(かりょうびんが)を拝観できる。

地域ネコの見守りと保護活動にも力を入れ、寺の掲示板のことばの書と猫の写真をSNSに投稿し、大きな反響を呼んでいる。Xフォロワー28万人、Instagramフォロワー33万人(2025年9月時点)。

著書に『ネコさんの「心にしみる」おひとりさま名言』(双葉社)、『大阪 専念寺 ネコ坊主の掲示板 人の悩みのほとんどは「人」 今日のことば101」 (主婦と生活社)。

専念寺ホームページ

 

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