島根 ✽ 地元の味探訪 ✽ ひょっとこ面形の銘菓 中浦食品 「どじょう掬(すく)いまんじゅう」(松江市)
【 島根県版 】地元の味探訪
ひょっとこ面形の銘菓
中浦食品 「どじょう掬いまんじゅう」(松江市)
どじょう掬いまんじゅうのパッケージ(写真提供/中浦食品)
島根の民謡・安来節は、どじょう掬い踊りでも知られる。
このどじょう掬い踊りをモチーフにした銘菓が、松江市に本社がある中浦食品の「どじょう掬いまんじゅう」だ。
◆ 苦難乗り越え商品化
中浦食品は江戸時代中期、1686年(貞享3年)に造り酒屋として創業。明治に入ると海産物の販売を始め、1921年(大正10年)から土産物の販売も始めた。やがて山陰らしい銘菓として67年(昭和42年)に販売を開始したのが、「どじょう掬いまんじゅう」。ユーモラスなひょっとこ面の形で、長く地元の人や観光客に親しまれている。同社代表取締役社長の鷦鷯(ささき)侑さんは「ひょっとこ面の型は、松江市の木彫り師に彫ってもらいました。ただ元々海産物が主力で、お菓子作りは初めて。熟練職人がいない上、今と違って全部手作業なので、人によって餡(あん)の包み方などに個性が出て焼きムラができるなど、商品化するまで3年かかりました。ひょっとこの口まで均等に餡を詰めるのも難しかったようです」と開発時の苦労を語る。
ぬいぐるみを手にする鷦鷯さん
現在は生地に餡を包む作業から焼く、目を付ける、包装するまですべて機械化。当初は白餡だけだったが、15年ほど前から梨餡、抹茶餡などラインアップを増やしている。さらに7、8年前から安来市のイチゴ、津和野町の栗ペースト、松江市の「千茶荘」の抹茶、鳥取県の二十世紀梨など地元の食材や企業とコラボした商品も開発した。
機械化された製造工場(写真提供/中浦食品)
◆スタッフのアイデア人気商品に
ハート形の容器に白餡とイチゴ味を2個セットで入れた「なかよしどじょう掬いまんじゅう」も人気だ。「コロナ禍で観光客が減った時に工場の女性スタッフが考えました。今一番売れていて、バレンタインデーにはチョコ入りも作りました」と鷦鷯さん。また、どじょう掬いを知らない世代にも親しんでもらおうと、公式キャラクター「どまんくん」と「いちごちゃん」が登場する動画「どまんくんのどじょうすくいな日常」の配信も始めた。どじょう掬いまんじゅうをイラスト化したLINEスタンプも販売中で、新たなファン獲得にも力を入れる。
ハートの容器に入った「なかよしどじょう掬いまんじゅう」
イラストに地元の方言をあしらったスタンプ

動画配信している「どまんくんのどじょうすくいな日常」
どじょう掬いまんじゅうは山陰両県の土産物店やスーパーなどのほか、広島県や岡山県のJR駅構内でも販売。「山陰の宣伝も兼ねて、県外での販売も増やしていく予定です。お見かけの際には、ぜひお手に取ってみてください」と鷦鷯さんは笑顔を見せた。(エリアライター/今井順子)